携帯電話にセールスの電話が定期的にかかってくる。そのほとんどは、クレジットカード会社、保険会社、そして携帯電話会社からのものだ。イギリス国内からかかってくるものもあれば、電話による営業をアウトソーシングされた南アジア訛りの英語で話してくることもある。
今日かかってきたのは、イギリス国内の保険会社からで、若い英国人の男性からのものだった。
こちらの名前を確認した後は、
何か事故や病気をした時には海外でも保険が適応される、とか、その額がどれぐらいであるとか、死亡した時の生命保険もカバーされるので安心であるとか(・・・)、
とにかく、保険の細かな内容をしゃべる、しゃべる。まさに覚えたセリフを機関銃のように5分くらい一方的に話していた。相手がとにかくしゃべるので、こちらもとにかく最後まで聞いた。
そして、一息ついた時に言ってやった。
「保険の細かい内容なんて、素人にとっては紙を見てもよく理解できないこともあるのに、電話口でただしゃべって、相手が理解できると本当に信じて話しているのですか」
と。
「そうですよね。。。では」
その機関銃営業マンはそう言っただけで、電話を切った。
電話を取って話を聞く、時間を割く人の相手のことなんて何も考えていないのだな、と思う。
自分のことを何も考えてくれていない人から何かを買おうと思う人がいるのだろうか。
イギリスの人材の質の厳しさはメディアでも触れることはあるが、その一端を日常でも感じてしまう。
それぞれの仕事の先には相手がいて、相手の家族がいる。そして、社会がある。それらを見ないで成り立つ仕事なんて一つもあるはずがない。
かかってくる電話営業は辟易しているが、一方で、仕事の先に何を見ているか、それがとても大事だってことを深く教えてくれている。


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