2007年9月10日に開催されたのアジ研セミナー「成長するアフリカ-日本と中国の視点」の会議報告書がアジ研のHP上で公開されています。
平野さんは、歴史的にアフリカ研究の“メッカ”は欧米である、という事実を踏まえて「アジアにおけるアフリカ研究は遅れている」と認める。
しかし、今回の会議の実現もそうだが、アジ研のアフリカ研究チームによって日本のアフリカ研究は大いに前進し、またアフリカに対する関心のすそ野も広がってきました。
彼らのアフリカと向かい合うことによって私たち日本人としてのあり方を問い直す真摯な態度とその熱い文章にはいつも鼓舞されます。
研究は現実のためにある。とくに地域研究はそうである。現実が要請する必要に背を向けるべきではない。(中略) これまで日本がアフリカにおいて苦しんできたことを、やはり中国も苦しみつつある。アフリカという異文化社会に向き合っている同じアジア人として、多くの共有点があることが分かった。アフリカをみるアジアの視点が、いまようやく孤独から解放されようとしている。(平野克己『趣旨と要約』p.4)
開発に関わる研究が増えたとはいっても、研究と実践との間にはなお距離がある。それはある意味で当然であり、アフリカが直面する諸問題はすぐに処方箋が書けるほど簡単なものではない。重要なのは、その事実を言い訳にせず、「研究と実践との実りある関係」を模索するための地道な努力を継続することだろう。(武内進一『日本におけるアフリカ開発研究 -日本アフリカ学会を中心に-』p.11)
対アフリカODA、そしてTICAD プロセスといった事項が日本の外交政策における重点と見なされるようになったこと自体、画期的なことである。(中略)TICAD 開催を契機としたアフリカの開発問題への取り組みが、ドナー諸国のあいだで失われつつあった開発援助のモーメンタムを維持し、結果的に「G8アフリカ・プロセス」を先取りすることにもなった。ODA は外交の手段といった風潮が依然として残る中で、従来の二国間援助の展開をこえたアフリカ開発のイニシアティブが打ち出されたことをもって日本政府の能動的姿勢への転換と見ては早計であろうか。(望月克哉『日本の対アフリカ開発援助――その受動性とイニシアティブ』p.14)


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